English File ネイティブはこう使う ＃2 “Let It Go”　会話例で学ぶ意味と使い方

let it goは「忘れる」、「手を放す」と訳されます。
感情的になるのをやめるようアドバイスをする場面や、物から手を放す時などに使われます。

文法としては、letは「（目的語）を（動詞）させる」という意味の使役動詞です。let＋目的後＋動詞（原形）の形になります。let it goを直訳すると、「それ（it）を去ら(go)せる」です。目的語はit以外にhim、her、themなども使えます。目的語は、何を去ら（go）せるかにより変化します。

Amber: I can’t believe the way he talked to me. I should go into his office and *give him a piece of my mind.　
　　（彼の私への話し方、信じられない！彼のオフィスに行って気持ちを伝えなきゃ。）

Mai: Amber, let it go. *It’s not worth it. Step out and come back when you are more relaxed.
　　（アンバー、忘れなよ。意味ないよ。外に出て落ち着いてから戻ってきたら。）

Amber: Maybe you’re right. I’ll be back in 5 minutes.
　　（確かにそうね。５分後に戻ってくるわ。）

たった今、同僚が失礼な話し方をしたことに対して、信じられない！と怒っているAmberです。嫌な話し方をする同僚っていますよね（笑）。Maiは、大人の対応で、Amberに「そのことを忘れなよ」（Let it go.）とアドバイスしています。今回の会話例は、忘れるべき対象が出来事なのでitが使われています。この例のように、感情など目に見えないものを手放す際に使えます。

Mai: Oooh. I love this snack.
　　（これ、好き！（と言いつつ、お菓子を手に取るAmber））
Amber: Let it go. That’s mine.
　　（手を放して。それ私のよ。）

Maiはお菓子を手に取りました。そのお菓子が好きと言っているMaiに対して、Amberが「それ私のだから、そのお菓子から手を放して」と言っています。Amber、なかなかにケチですね（笑）。Maiが好きだって言っているのだから、That’s mine. You can have it. (それ、私のだから食べていいよ)と快くMaiにあげてもよくないですか（笑）？とはいえ、この例のように物理的に手にしているものから手を放す際にもこの表現が使えます。

let it goの使い方の感覚をお分かりいただけたでしょうか。日本語に訳す場合、1つ目の会話例のように、itが示す内容が感情の場合、「忘れる」という意味になります。２つ目の会話例のように、itが示す内容が物の場合は、「手を放す」という意味になります。

別のコラムで紹介したget over itも同様に忘れるという意味があります。let it goとget over itはどのような違いがあるのでしょうか。let it goは単純に忘れるという意味に対して、get over itには、忘れる（そして次に向かう）という意味があるところです。

とはいえ、状況によっては、どちらを使っても意味が変わらないことがあります。

Amber: I can’t believe they forgot my birthday again.
　　　（信じられない！またみんな私の誕生日を忘れたわ。）

Mai: I know it hurts, but maybe it’s time to get over it / let it go.
　　　（分かるよ、でも忘れなよ。）

このように、みんなが誕生日を忘れたなど些細なことで感情的になっている場合、get over itもlet it goもどちらも使うことができます。Get over it については、こちらの記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。

それにしても、Amberはいつも怒っていますね。短気なのでしょうか（笑）。

それでは、最後まで、お読みいただきありがとうございます。
Good luck with your studies and see you next time!

give （人） a piece of my mind　（人に）考えを伝える
It’s not worth it.　それをする価値はない