「英会話が、恥ずかしい——」

この思いには、多くの方が共感を覚えるのではないでしょうか。

本当は英会話を習得したいのに、恥ずかしい気持ちに邪魔されるのは、つらいものです。コミュニケーションスキルを磨けずに、グローバル化の現代で大きな損をするのではと、不安な方もいるでしょう。

じつは英会話が恥ずかしいと感じる心理には、原因があります。その原因に気づくだけでも、恥ずかしさは、薄れていくことが多いのです。

この記事では、英会話が恥ずかしいと感じる7つの原因と、その解決策をご紹介します。

この記事を通じて、ご自身の感情を理解し、不安を乗り越える一歩を踏み出しましょう。

冒頭でも触れたとおり、英会話に対する恥ずかしさは、多くの人に共通する感情です。

その背後には、さまざまな心理的要因が隠れています。これらの要因を理解することは、恥ずかしさを克服し、英会話のスキルを向上させる鍵となります。

以下でひとつずつ、見ていきましょう。

1つ目の原因は「学校の授業でのトラウマ」です。

学校での英語授業は、苦い思い出となっている日本人も多いかもしれません。

その根底には、従来の英語教育の方法や、日本の文化的背景が深く関わっています。

これまでの日本の教育現場における英語は、受験対策の意味合いが強く、正確な文法や単語の暗記に重点がありました。

近年は、スピーキングも重視する内容に改善されてきていますが、かつての学校の授業にトラウマを抱えている大人は多いでしょう。

これらの経験は、大人になっても英会話への抵抗感として残ります。

もうすっかり自分では忘れているかもしれませんが、過去の体験を振り返ってみることが、解決の糸口となります。

2つ目の原因は「社会的評価に対する恐れ」です。

他人の目が気になるタイプの人にとって、人前で英語を話すことは、不安を伴います。

「英語を話すことで、自分のスキル不足が露呈するのではないか」

という恐れがあるからです。

たとえば、ビジネスシーンでのプレゼンテーションや会議での発言は、とくにプレッシャーを感じる瞬間です。

他者の評価を過度に気にすることは、のびのびと自己表現する自由さを妨げます。

英語力を向上させる機会を自ら減らしてしまい、なかなか上達しない状況に陥ってしまいます。

3つ目の原因は「あがり症や緊張症」です。

もともと、あがり症や緊張症に悩んでいる人にとって、英会話に恥ずかしさを感じるのは当然のこと、といえます。

【参考：あがり症】

中でも「あがり症」の方は注目を浴びると、心臓がバクバク早鐘を打ち、赤面したり、声や体が震えたり、びっしょり汗をかいたりします。普段は何事もなく暮らしているのに、こんなふうになる自分を「恥ずかしい」と意識するとなおさら緊張が増し、症状が強くなります。

そうすると、同じ失敗を繰り返したくない（予期不安）との思いから、苦手な場面を避けたくなります。思い切って誰かに相談しても「慣れよ」「誰でもよ」なんて言われると、「自分は弱い人間なのか」と自己評価が低下し、かえって不安を強めることもあります。

出典：長崎市医師会「長崎新聞健康欄」

これらの症状は、英語を話すこと自体に対する不安からではなく、（言語によらず）「人前でうまく話せるかどうか」というプレッシャーに由来しています。

したがって、緊張を上手にコントロールすることが、英会話の恥ずかしさを克服する鍵となります。

4つ目の原因は「発音の悩み」です。

発音の不安は英語に限らず、第二言語習得を目指す人たちのほとんどが直面する問題です。

とくに、初級レベルの段階で強く感じられます。

日本人の場合、

「日本人の英語の発音は聞き取りづらい。ネイティブスピーカーに伝わらない」

といった情報を目にすることが多く、ますます自信を失っています。

しかしながら、実際には、多少の発音の問題は、コミュニケーションにおいてそれほど重要ではありません。

私たち日本人が、外国人の話す日本語の発音を過度に問題にしないように、英語でも「発音の正確さよりも、まずは英語を話して伝えること」のほうが、圧倒的に重要です。

そのことに気づけるかどうかが、恥ずかしさを乗り越えるヒントとなるでしょう。

5つ目の原因は「他者との比較と劣等感」です。

英会話における劣等感の大きな原因は、他者との比較です。

同僚や友人、あるいはSNSなどで人々が流暢に英語を話すのを聞くと、自分の英語力に対する自信を失うことがあります。

英会話を習得するためには、他者との比較ではなく、自分の過去と比較した進歩と成長に焦点を当てることが重要です。

6つ目の原因は「失敗に対する過剰な心配」です。

たとえば、間違った文法や単語を使用することへの恥ずかしさ・恐れが、英会話にチャレンジする機会を失わせます。

【失敗への過剰な心配の具体例】

これらの恐れは、完璧主義や自己批判の傾向と関連しています。「失敗してはいけない」と強く思い込んでいると、恐れや恥ずかしさが生じます。

しかしながら、英語習得においては、たくさん失敗をして、失敗を通じて学ぶプロセスが非常に重要です。

子どもが日本語を習得するときも同じです。何度も間違った言葉遣いや言い間違いをして、両親などから教えてもらうことで、言語を習得していきます。

失敗を受け入れ、それを学習の機会として捉えるように視点変換できると、英語力は確実に向上します。

7つ目の原因は「英語学習に対する誤解や偏見」です。

たとえば、「英語は習得しにくい言語だ」という思い込みや、「自分には英語の才能がない」という決めつけなどがあります。

これらの誤解や偏見は、英会話へのモチベーションを低下させます。

「恥ずかしくてもチャレンジしよう」と気持ちを奮い立たせることが、できなくなってしまうのです。

英語習得は、継続的な努力と適切な学習方法によって、年齢や背景に関係なく、誰でも成功できます。

誤解や偏見を乗り越え、ポジティブな姿勢を持つことが、英語学習の効果を高める重要な要素です。

続いて、英会話が恥ずかしい気持ちを克服する、具体的な解決策を見ていきましょう。自分に合うものを選んで、取り入れてみてください。

以下で詳しく見ていきましょう。

1つ目の解決策は「トラウマを認めてあげる」です。

英会話が恥ずかしい気持ちの裏には、恐怖や不安、恥をかかされたなどの過去の体験が潜んでいることがあります。

学校での恥ずかしい経験や、間違った発音で笑われた記憶などが、大人になっても影響を及ぼしている場合、これらのトラウマを認め、受け入れることが、克服への第一歩です。

通常、私たちは嫌なことは思い出したくないので、心の中にフタをして、見ないようにしています。

そのフタを取って、しっかり “見てあげる” ことで、スーッとつらい感情が楽になるケースがあります。

当時、抱えきれずにいったんフタをした感情と向き合って、解消するというプロセスです。

具体的には、以下を実践してみてください。

2つ目の解決策は「ポジティブなリフレーミングをする」です。

「私は英語が苦手だ」といった否定的な思考や思い込みを持っている場合、それをポジティブなものに変える「リフレーミング」が有効です。

【参考：リフレーミングとは】

ある人の物事の見方・捉え方を変えることをいいます。

たとえば、コップに半分の水があったときに、「まだ半分ある」と捉えるか、「もう半分しかない」と捉えるかによって、感情、思考、行動、結果が変わってきます。

わかりやすく説明するために、見方・捉え方を「メガネをかける」といったりしますので、リフレーミングは「異なるメガネをかけて、物事を見る」といえます。

自分自身が物事をどのように捉えているのか、どのようなメガネをかけているのか、気付いていない、気付きにくいものです。

そこで他人の力を借りて、違うメガネをかけてみたり、メガネをずらしてみたりすること＝リフレーミングすることが重要になります。

出典：農研機構「リフレーミングとは」

上記にあるように、「異なるメガネをかけて、物事を見る」ことを意識してみましょう。

たとえば、「私は英語が苦手だ」という考えは、異なるメガネをかけて見れば、「私は英語を学ぶ過程にある」とリフレーミングできるかもしれません。

3つ目の解決策は「自分を受け入れる」です。

「同僚と比較して自分はダメだ」

「英語のスキルがないことが露呈したら、低評価を受けてしまう」

「完璧でなければ英語を話したくない」

といった気持ちが強い場合、もう少し自分を受け入れる必要があります。

頭の中に、自分を責めたり否定したりする言葉が飛び交っていないでしょうか。まずは、自分に肯定的な声掛けをするところから始めましょう。

以下にフレーズ集をリストアップしました。最初は感情が伴わなくても構いません。何度も自分に言い聞かせてあげてください。

4つ目の解決策は「発音改善のための実践的アプローチを行う」です。

ここまで、メンタル面の解決策を3つ、ご紹介しました。

メンタル面の準備が整ったら、より実践的なアプローチで、恥ずかしさを消していきましょう。

発音をコンプレックスに感じている人は、発音を改善することで、人前でも堂々と英会話できます。

「そうはいっても、発音なんて、そう簡単にうまくならないよ……」

と思うかもしれませんが、練習することで発音は確実に改善します。

英会話が恥ずかしいという人は、本気で練習することにも気恥ずかしさを感じ、まだ十分に練習したことのない人がほとんどです。

それだけ、発音がうまくなる伸びしろを持っています。

具体的には、以下を実践してみてください。

これらの練習を続けるだけで、発音は改善できます。発音が改善してくると、英会話が恥ずかしいと感じる気持ちが薄れてくるはずです。

そうなれば、さらにチャンスが広がります。英会話の実践を積み重ねるほどに、発音はさらに上達するからです。

5つ目の解決策は「英語学習に関する正しい知識を獲得する」です。

そもそも、英会話は、まったく恥ずかしがる必要がありません。

そのことは、逆の立場（たとえば、日本語を学んでいる外国人を客観的に見る）に立って考えれば、当然と感じられるのではないでしょうか。

にもかかわらず、多くの人が恥ずかしく感じるのは、先にも触れたとおり、誤った理解や歪んだ認識が原因です。

英会話における恥ずかしさを克服するには、英語学習に関する正しい知識で上書きすることが効果的です。

最後の「効果的な学習方法」については、次のセクションで詳しく解説します。

英会話を学ぶ際、「適切な英会話スクールの選定」は重要です。

とりわけ、英会話に恥ずかしさを感じる方にとって、“快適で効果的な学習環境” は、非常に重要です。

ここでは、以下4つのポイントを解説します。

1つ目のポイントは「多様な生徒がいる大手スクールを選ぶ」です。

英会話が恥ずかしいと感じる方は、閉鎖的な雰囲気のある小さな教室よりも、いろいろな生徒が出入りする大手スクールのほうが、リラックスしやすいはずです。

大手スクールでは、異なる年齢層や国籍、レベルの生徒が集まるため、自分だけが初心者でないことがわかります。

上記は一例ですが、非常に多種多様な目的を持つ生徒がいます。

この多様性は、自身の英会話力に対する、過度な自意識を和らげるのにも役立ちます。多様な人々に囲まれていると、いつの間にか、他人の目が気にならなくなるものです。

2つ目のポイントは「レベルや目的別にクラスが分かれているスクールを選ぶ」です。

英会話に恥ずかしさを感じる方に避けてほしいのは、“苦しみを我慢して、無理して英語を勉強すること” です。

英語に対するマイナスの記憶が強化され、ますます恥ずかしい気持ちが強まってしまうからです。

決して背伸びをすることなく、

「現在の自分に合った、ちょうどよいレベル」

「学んでいて楽しさを感じられるレベル」

に取り組むように心掛けてください。

上記の観点により、英語力のレベルまたは目的別にクラス分けがされており、自分に合ったクラスを選べる英会話スクールがおすすめです。

3つ目のポイントは「プロフェッショナルな教師陣がいるスクールを選ぶ」です。

英会話教師には公的な資格はないので、極論をいえば、誰でも教師を名乗ることができます。よって、「英会話教師」と一言にいっても、そのレベルの差は非常に大きなものです。

英会話に苦手意識を持つ方は、“質の高いプロフェッショナルな教師” に教わることを最重視してください。

英語指導のための教育を受けた、プロフェッショナルな教師であれば、生徒が抱える恥ずかしさや不安に対しても、適切なケアを提供できます。

たとえば、緊張を和らげてリラックスさせる声掛けや、発音の課題をサポートしながら英会話の楽しさを実感してもらうことなどです。

4つ目のポイントは「安心してチャレンジできるスクールを選ぶ」です。

恥ずかしさを感じる方は、失敗を恐れずに新しいことにチャレンジできる環境を整えることが大切です。

ポジティブなフィードバックと、思いやりの文化が根付いているスクールでは、失敗を学習の一部として捉え、自信を持って挑戦できます。

具体的には、カウンセラーやコーチングスタッフによるサポート体制の整ったスクールを選ぶとよいでしょう。

「英会話が恥ずかしい」といった本音も話せる相手がいれば、前向きな一歩を踏み出しやすくなります。

「英会話スクールの選び方はわかったけれど、具体的にどれがおすすめなの？」

という方へ、具体的な英会話スクールのおすすめコースを2つ、ご紹介します。

1つ目は、イーオン ・オンラインレッスンの「一般英会話コース」です。

オンライン英会話は、自宅のリラックスできる環境から受講できることや、ほかの生徒と一緒ではなく教師と1対1で学べることが、メリットです。

「日常英会話」や「ビジネス英会話」などあなたの目的に合わせ、確実なコミュニケーション力を養います。

イーオン ・オンラインレッスンの「一般英会話コース」は、目的別に、レッスン内容を細かく選べるため、自分に合う学習内容を選択したい方に非常におすすめです。

出典：オンライン英会話

詳しくは、「オンライン英会話」のページより、ご確認ください。

2つ目は、通学タイプの英会話イーオンで提供されている「Learningレッスン」です。

「Learningレッスン」は、英会話に必要な知識やルールから、じっくり学べるクラスです。

出典：英会話イーオン パンフレット

このコースは、英会話に苦手意識を持つ方の基礎固めに最適です。

加えて、イーオンはカウンセリングによるサポート体制も充実しています。

出典：イーオンの英語学習サポートシステム

詳しくは「英会話教室 イーオン」のページよりご確認ください。

最後に3つ目は、少し変わったアプローチで、「AI対話型アプリ」を活用する方法です。

「どうしても、人が相手だと恥ずかしい」という方は、AI相手に練習しながら、自信をつけましょう。

出典：AI Speak Tutor 2

イーオンが提供するAI対話型アプリの『AI Speak Tutor 2』は、まるで人間のネイティブスピーカーと会話しているように、AIと英会話ができます。

出典：AI Speak Tutor 2

恥ずかしさを感じる必要のないAIが、あなたの話し相手となり、しかも発音などのスキルを評価して診断結果を表示してくれます。

詳しくは「AI Speak Tutor 2（AIスピークチューター2）」のページより、ご確認ください。

最後に、英会話が恥ずかしいと感じる方へ、3つのメッセージをお伝えさせてください。

英会話を恥ずかしいと感じることは、あなたが自分自身と向き合い、成長を望んでいる証です。

たとえば、ある日、あなたが少しでも英語を使ってみたとき、その瞬間の緊張や恥じらいを感じるかもしれません。

しかし、その感情と向き合い、

「もっと堂々と話せるようになりたい」

「そのためには、何をすればいい？」

と考えることは、成長への道を歩み始めるすばらしいきっかけとなります。

自分に対して、厳しくしそうになったら、「小さな成功を祝福する」ことを思い出してください。

たとえば、ある日のレッスンで新しいフレーズを使えたこと、海外の友人との短い会話で自分の考えを伝えられたことなど、大いに喜びましょう。

これらひとつひとつの成果は、あなたの自信を築き、英語に対する恥ずかしさを克服する道を照らしてくれます。

どんなに小さな一歩でも、自分自身に「よくやった」と声をかけることで、次第に英会話への恥ずかしさが薄れていくでしょう。

最後に、あなたが英会話に自信を持ち、堂々と話せる日が来ることを信じてください。

毎日少しずつでも前進することで、あなたは英語を話すときの恥ずかしさを乗り越え、自信に満ちた会話ができるようになります。

これは一朝一夕に達成できるものではありませんが、「One by One（ひとつずつ）」、継続することであなたの取り組みは、かならず実を結ぶでしょう。

本記事では「英会話 恥ずかしい」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

英会話が恥ずかしいと感じる心理に隠れた7つの原因として、以下を解説しました。

英会話が恥ずかしい気持ちを克服する解決策は、以下のとおりです。

英会話が恥ずかしい人が注意すべき英会話スクールの選び方のポイントとして、以下をご紹介しました。

きっといつか、この記事を読んでくださった今日を、

「英会話が恥ずかしいと悩んでいたことも、あったなぁ」

と、懐かしく思い出す日が来るでしょう。

無理なく小さな一歩から、歩みを進めていただければと思います。