ニュースリリース

2016.08.19

イーオン、中学・高校の英語教師を対象とした
「中高における英語教育実態調査2016」を実施

 英会話教室を運営する株式会社イーオン(本社:東京都新宿区、代表取締役:三宅義和、以下「イーオン」)は、中学・高校で英語を教えている現役教師363名を対象に、「中高における英語教育実態調査2016」を実施しました。
 本調査は、イーオンが今夏、中学・高校の英語教師を対象に全国5都市で開催した「英語を英語で教えるための指導力・英語力向上セミナー」参加者に、「現在の授業運営状況」や「自身の学習状況」「大学入試への外部試験導入についての考え」などについて、実際に現場で生徒に英語を教えている現役教師の方がどのように考えているのかを明らかにするため実施したものです。
 主な調査結果は以下の通りです。

調査結果トピックス

■「授業は原則英語で」“おおむね実践できている”は中高とも2割に満たない結果に。特に高校では「あまり言語活動を行っていない」との回答が4割以上。

文部科学省による中高の英語の授業運営における「授業は原則英語で行う」という基本方針(高校では導入済、中学では2020年より導入予定)について、現状どの程度実践できているのかを尋ねたところ、高校では「あまり言語活動を行っていない」との回答が4割を超え、「おおむね言語活動を行っている」との回答は13%に留まる結果となりました。一方、中学では「おおむね言語活動を行っている」が17%と、先行して導入された高校を追い抜く形となりました。
また、この方針が「生徒にとって必要」と考えている先生は、中高とも77%に上りました。

■高校は「スピーキング指導」、中学は「英語で文法を教える」が、最も「サポートが必要」な項目に。教科書にもっと盛り込んで欲しいと思うスキルは、“アクティブラーニング”の要素が顕著。

現在の授業、教授法について、サポートが必要であると感じていることや困難に思っていることについて尋ねたところ、高校では「スピーキング指導」、中学では「文法を英語で説明する」がそれぞれトップとなりました。また、現在の中学・高校の英語教育で、教科書にもっと盛り込んで欲しいと思うスキルについては、高校では昨年同様「プレゼンテーション」がトップとなり、中学では、昨年4位だった「ディスカッション」が1位、「プレゼンテーション」が2位で続くなど、“アクティブラーニング”の要素が上位に上げられる結果となりました。

■大学受験・英語科目への外部試験導入、中学は8割以上、高校も約3/4が賛成。導入にふさわしい試験は中高とも「英検」がトップに。

大学入試での英語科目の外部試験導入について、どのように考えているのかを尋ねたところ、導入に賛成する意見が、高校で7割、中学でも8割を超える結果となり、中高ともに昨年よりも賛成票が伸びる結果となりました。具体的な外部試験を挙げてもらうと、中高とも英検がトップとなりました。特に高校においては、昨年の調査でトップだったTOEFLは4位と振るわず、一方で、昨年最下位だったTOEICが2位と順位を上げる結果となりました。

■自身の英語スキルアップのために1日1時間以上確保できている先生が、中学では1割以下。週単位でも、中学の約4割が週1時間未満という結果に。

先生自身の英語力アップのための取り組みについて、どれぐらい日常的に時間を割けているのかを尋ねたところ、高校では、約4分の1が1日1時間以上確保できている一方、中学では、1日1時間以上確保できているという回答が1割にも満たない結果となりました。週単位でみると、高校で 2割、中学で約4割が週1時間未満(全く取れない含む)となり、中高とも昨年より厳しい結果となりました。

※このリリースは文部科学記者会でも発表しています。

■調査概要

■調査結果サマリー

【現在の英語授業・教授法について】

1-1.「授業は英語で行う」基本方針について

現在、高校における英語の授業は「英語で行うことを基本とする」とされており、また2020年に向けた改革案では中学においても同様に英語での授業運営が盛り込まれています。そこで「授業は原則英語で行う」というこの基本方針が「生徒にとって必要」と考えているかどうかについて尋ねたところ、中高ともに77%が「必要」と回答する結果となりました。

■「授業は英語で行う」基本方針に関する意見(抜粋)

【賛成】
・生徒にとっては、日本で英語に触れる大変貴重な機会だと思う。(公立中学)
・すべて英語であることが前提であると生徒の学ぶ姿勢も変わり、英語力向上にも役立つと思う。(公立中学)
・教師が英語を話すという姿勢を生徒に見せることは必要だと思う。(公立中学)
・授業で英語を活用することができなければ、社会に出てもできないと考えます。(私立高校)
・リスニング、スピーキングを行う機会がないまま、高校を卒業する生徒が多いため。(私立高校)
・これからの「時代」を考えると外国語としての英語教育は必須であり、その外国語にわずかな時間でも生徒に触れさせることは重要だと思うから。(公立高校)

【反対】
・公立校では個々のレベルに大きな差があるため、全く授業についてこられない生徒への配慮も必要だと思うから。(公立中学)
・文法を教えるのに英語ですべてを指導するのは、中学生には難しい。(公立中学)
・英語だけで行うことが、必ずしも英語の力をつけることになるとは限らないと思う。(公立中学)
・授業時間数が限られている以上、「必要に応じて英語で指導する」というスタンスが適切。(私立高校)
・日本語で30秒で済む説明を英語でやると倍以上かかり、その分生徒の練習時間が少なくなる。(私立高校)
・英語で行う場面は必要だと思うが、日本語で説明を行う方が効果的な場合もあると思う。(公立高校)

また、現状において、どの程度、英語での授業運営を実践できているかを尋ねると、高校では「あまり言語活動を行っていない」との回答が4割を超える結果となり、「おおむね言語活動を行っている」との回答(13%)を大きく上回る結果となりました。一方で、中学では「おおむね言語活動を行っている」が17%となり、先行して導入されている高校を追い抜く形となりました。
特に高校で「あまり言語活動を行っていない」先生にその理由を尋ねると、生徒の理解レベルが追い付いていかない点や、自身の英語力の問題、現在の大学受験とマッチしていない点、英語での授業運営は時間がかかる点などが挙げられました。

■現在、「あまり言語活動を行っていない」理由について(抜粋)

・現状の入試に対応するためには、日本語で指導した方が早く力を付けることができる。(私立高校)
・生徒の実態からすると英語での授業はまだできない。(私立高校)
・生徒の理解のレベルがそこまで達していないから。(公立高校)
・生徒の拒否反応が多い。段階を踏むことが必要だと考える。(公立高校)
・生徒の学力レベル的にも難しく、自分の英語にも自信がないため。(私立高校)
・当面の大学受験という目標にそれほど必要なく時間もかかるので。(公立高校)
・やりたいがとても準備に時間が割けない。(私立高校)
・自分の英語が正しいという自信がない。(公立高校)
・クラスルームイングリッシュを使っていると、授業の内容を進めるのに時間がかかりすぎてしまい、内容が進まない。(私立高校)

1-2.サポートが必要だと感じていること・困難を感じていることについて ※複数回答

現在の授業、教授法について、サポートが必要であると感じていることについて尋ねたところ、高校では「スピーキング指導」(127名)、中学では「文法を英語で説明する」(97名)がそれぞれトップとなりました。昨年の調査から大きく傾向は変わらず、今後の4技能化でより重視される「スピーキング指導」(中学92/高校127)、「ライティング指導」が117名(中学87/高校90)などに票が集まる傾向が見られました。

[サポートが必要だと感じていること・困難を感じていることについて] グラフ

1-3.教科書にもっと盛り込んで欲しいと思うスキルや内容について ※複数回答

現在の中学、高校の英語教育で、教科書にもっと盛り込んで欲しいと思うスキル・内容について尋ねたところ、高校では昨年同様「プレゼンテーション」が106名でトップとなりました。2位以下も「ディスカッション」(89名)、「スピーチ」(76名)と昨年同様の結果となりました。
一方、中学では、昨年4位だった「ディスカッション」が67名で1位、2位に「プレゼンテーション」が65名で続く結果(「フォニックス」と同率)となり、「アクティブラーニング」の要素に票が集まる結果となりました。

[教科書にもっと盛り込んで欲しいと思うスキルや内容について] グラフ

【大学受験・英語科目について】

2-1.大学受験・英語科目への外部試験導入について

大学入試での英語科目の外部試験導入についての考えを尋ねたところ、導入に賛成する意見が、高校で7割、中学では8割を超える結果となり、中高ともに昨年 (高校70%、中学69%)よりも賛成票が伸びる結果となりました。
また賛成と答えた先生には、どの外部試験がふさわしいかも挙げてもらったところ、中高とも英検が97名(中学44/高校53)トップとなりました。
特に高校の回答は、昨年の調査から変化が大きく、昨年トップとなったTOEFLは今年4位に終わった一方、昨年最下位だったTOEICが2位と順位を上げる結果となりました。

[大学受験・英語科目への外部試験導入について] グラフ

■“ふさわしいと思う外部試験”の理由(上位3つのみ抜粋)

【英検】
・英検では最低限の4技能をはかろうという指標があるため。(公立中学)
・対策教材が既にたくさんの学校等で使用されているから。(公立中学)
・TOEICなどは内容がビジネス英語になってくるため、英検が適切であると思う。(公立中学)
・学習指導要領に準拠しているから。(公立高校)
・これまでの難関大学入試の形式に一番近いと思う。(公立高校)
・生徒にとっては身近であり、受験することに抵抗の少ない試験であるため。(私立高校)
・費用・内容・受験会場等生徒にとっても受験しやすい環境が整っているから。(公立高校)

【TOEIC】
・コミュニケーション能力を測る指標として一般的だから。(公立中学)
・国際的な英語力を図れるから。(公立中学)
・大学入試のみならず、その先も長く付き合える試験だから。(公立中学)
・4技能のバランスがとれていると思うから。実生活に密接につながっているから。(公立高校)
・高校の英語から日常会話までの英語力をカバーしているから。(私立高校)

【TOEFL】
・海外の大学も視野に入れることができるため。(公立中学)
・アカデミックな内容が入っているから。(公立中学)
・ビジネスではなく大学の授業向けだから。(私立高校)
・内容的に今後英語教育が目指すものに合致していると思う。(公立高校)
・4技能すべてが備わっていて、TOEICと並んで利用率が高いことから。(私立高校)

【先生自身の学習環境について】

3-1.自身の英語スキルアップにかけられる時間について

先生自身の英語力アップのための取り組みについて、どれぐらい日常的に時間を割けているのかを尋ねたところ、高校では、約4分の1が、1日1時間以上確保できている一方、中学では1日1時間以上確保できているという回答が1割にも満たない結果となりました。
さらに週単位でみてみると、高校で2割、中学で約4割が週1時間未満(全く取れない含む)となっており、中高とも昨年より割合が高くなる厳しい結果となりました。

[大学受験・英語科目への外部試験導入について] グラフ

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【イーオンについて】
 イーオンは1973年に創業以来、日本人に最適な語学教育を通し、世界で通用する人材育成に高い評価をいただいています。日本人の英語上達のためにオリジナル教材を開発。人格、指導力ともに優れた日本人教師と外国人教師を採用。それぞれの強みを活かした効果的なレッスンで、苦手を克服しながらコミュニケーション力を高め、ビジネス英語や資格取得に大きな成果を挙げています。
 イーオンでは、安心して英語を学んでいただくために、
 ●生徒様の授業料に対して、「前受金分別信託制度」導入しています。
 ●外国人教師の99%は北米で採用。来日後は全員日本の社会保険に加入させています。
 ●文部科学省所管の「全国外国語教育振興協会」の加盟校です。
株式会社イーオン(本社所在地:東京都新宿区、代表者:三宅義和)は、現在、全国主要都市に250校を有し、幼児から学生、社会人の方々が通いやすく学びやすい環境とカリキュラムを構築。グループ全体で生徒数10万人を超える実績とともに、その約50%は未来を担う子どもたちであることもイーオンの信頼の証しです。
◆イーオン公式HP:https://www.aeonet.co.jp/

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